艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
一体、どうしたというのだろうと違和感があったが、今はそれより大事なことがあった。
「葛城さんは、お父さんにじゃなくてお祖母ちゃんのお祝いに贈ってくれたんでしょ。お祖母ちゃんは喜んでるんだから、返すことない。お祖母ちゃん、私が代わりにお礼を言ってくるね」
「待ちなさい、藍!」
呼び止める父を無視する。
そのまま席を立つと、私は店の出入り口、葛城さんが立っていたほうへと急いだ。
「葛城さん!」
彼は、祖母が花束を受け取ったのを見届けたあと、すぐにその場を離れたのだろう。
店を出てすぐの場所にはもうおらず、私はエレベーターホールまで追いかけそこで彼を見つけた。
名前を呼ぶと立ち止まり、ゆっくりと振り向き微笑む。
なぜだか、私が追って来るのをわかっていたような、そんな気がする微笑みだった。