艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
薄い藍色に染まったその琥珀糖は、葛城さんがくれた指輪の石の色に少し似ていた。
てのひらに乗せたまま彼が手に取りやすいよう少し掲げる。


彼の左手に瓶、右手には蓋。
てっきりどちらかをテーブルに置いて、てのひらから琥珀糖を取ってくれるのだと思っていた。


「もう少し、上」

「え。こう?」


言われるままに位置を高くすると、彼は顔を乗り出して私のてのひらから直接、琥珀糖を食べた。


「行儀悪い……」


というか、恥ずかしい。
恋人同士でもふたりきりでも、こんなことするだろうか。


かあ、と頬が火照る。
この空気の甘さに、私の脳は疲れて麻痺しはじめていた。


「だって手、塞がってるし。甘いね」


そうしてまた、私の耳元で話す。
低い声が耳の中にも響いて、そのくすぐったさに耐えていたら頭がぼんやりとしてきてしまう。

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