艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「和菓子業界も厳しいからね。柳楽堂と花月庵で今後協力していけたらいいんじゃないかって、話が持ち上がってたところだったんだよ」

「そうなんですね」

「それを横からさらーっと」


両手で水の流れのようなジェスチャーを見せ、おどけて言った。
くすくす笑って返事はせずに誤魔化した。


兄から聞いた話とは、ニュアンスが違う。
認識の相違だろうか?


私がどこまで理解しているのかを見ているのかもしれない。


「藍ちゃんも戸惑ったんじゃないの?」


にこにこと頬杖を突きながら、彼はどうしても私から何かを引き出したいらしい。


私は微笑みながら、頭の中を必死で回転させていた。
カツラギと企業提携したことで、もう柳楽堂は花月庵には手を出せないはずだ。


それなのに、わざわざ私に近づく理由はなんだろう。

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