艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
多分、こういった願望を私はダダ漏れさせているのだろうか。
だから、彼は距離を取ろうとするのだろうか。


困った顔で私を見る、そんな表情をされてしまうと、後悔してしまうのだ。


「あ。お風呂入りますか?」


俯いて袖を離した時だった。
ローテーブルの上に置いたスマホが、短く振動する。つい目線がそちらに向くと、液晶画面にはネットニュースの見出しが小さな文字で表示されていた。


「……え?」


小さいけれど、多分見間違いじゃない。
よく知った名前が出ていて、驚いてスマホに手を伸ばす。ニュースの見出しをクリックすれば、サイトの記事に飛んだ。


「これって……」


葛城さんにも見えるように携帯の画面を傾ける。
すると彼がテレビのリモコンを取り、ニュース番組をしているチャンネルを探していた。
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