艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「……や、まさか」
自分に都合の良いように考え過ぎだ、と浮かんだ仮説を掻き消した。
だって、花月庵の技術と顧客が欲しいって言って、私との結婚を条件に父に迫ったわけで……。
「あ、あれ?」
買収はされてしまっているわけだから、もっと強引に出ようと思えば出れるものなのかもしれない。でも、技術の流出をそう簡単に父が許すはずはないから、私をダシにしたくて?
「……わかんない」
だけど、ずっと気になっていることがある。
彼は、強引なことをするよりも、できるだけ友好的に資本提携を進めようとしてくれている。
花月庵の名前を残したければ、なんて私を脅しておきながら。
……それに、いつも、守ってくれた。
パーティで柳川さんと私が接触しないように気を遣われていた。
あれは、守ってくれていたのでは?
都合の良い仮説かもしれない、妄想かもしれない。だけどもう、一度そんな考えが浮かんでしまったら、じっとなんてしてられなかった。
いてもたってもいられなくて、リビングを出ていった彼を小走りに追いかけていた。
自分に都合の良いように考え過ぎだ、と浮かんだ仮説を掻き消した。
だって、花月庵の技術と顧客が欲しいって言って、私との結婚を条件に父に迫ったわけで……。
「あ、あれ?」
買収はされてしまっているわけだから、もっと強引に出ようと思えば出れるものなのかもしれない。でも、技術の流出をそう簡単に父が許すはずはないから、私をダシにしたくて?
「……わかんない」
だけど、ずっと気になっていることがある。
彼は、強引なことをするよりも、できるだけ友好的に資本提携を進めようとしてくれている。
花月庵の名前を残したければ、なんて私を脅しておきながら。
……それに、いつも、守ってくれた。
パーティで柳川さんと私が接触しないように気を遣われていた。
あれは、守ってくれていたのでは?
都合の良い仮説かもしれない、妄想かもしれない。だけどもう、一度そんな考えが浮かんでしまったら、じっとなんてしてられなかった。
いてもたってもいられなくて、リビングを出ていった彼を小走りに追いかけていた。