艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「え……」


どくん、と心臓が脈打った。
私のしたことが何か、悪影響になったのか?


「何か、悪いことが?」


父の、じっとこちらを見る目が、何かを見透かそうとしているようで、怯みそうになる。


「……悪かねえが。今まではなかったところから、記事や店舗案内の打診があるな」

「なんだ。良かったじゃない」

「良くねえよ。あちこち派手に宣伝するような店じゃないんだよ花月庵は」


なんとカビの生えた頭か!


そんなことだから花月庵は衰退していったんじゃないのか、と呆れて仏頂面の父を見ているとなんとなくわかったことがあった。
理解はしているのだ、だけどプライドが許さない境目にいるのだと。

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