艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
しっとりと、柔らかさを味わうように重ねられた唇に、ますます目が開けられなくなる。
頬の手が移動し首筋を支え、わずかな隙間を残しキスが一度途絶えた。


「……もう一度言って。聞きたい」


低く掠れた声が、あまりにも切なくて。
縋り付いてしまいたくなる衝動に駆られてしまう。


「……すき、です」


言葉にすると、塞がれる。そうしてまた少し離れて、掠める程度の距離でまた、催促されてを繰り返し。


「……すき、葛城さん」


何度目かで、ようやく目を見て言えたとき、彼の目が優しく微笑んでいて。


「好きだよ。ずっと君が欲しかった」


ずっとずっと、欲しくて探してた彼の気持ちを聞けた瞬間、涙がこぼれた。

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