艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
素直に声に出すほど、顔が熱くなる。
目の奥も。


「葛城さんが、私の気持ちを置き去りにしないって言ってくれた。とても、嬉しかった」


彼が指の背で、火照った頬の肌を撫でてくれる。目を閉じ、その指に励まされるように、言葉を繋ぐ。


「でも、いつも葛城さんの手の上にいるみたい。翻弄されて、転がされて、いつのまにか……好きに、なって、しまって」


言ってしまった。


目を閉じたまま、彼の顔を見るのが怖い。けど、反応は気になって、私に触れる手に意識は集中する。


悔しい。けど好き。


ぽそ、と呟いて付け足したとき、頬の手が私の顔を上向かせ、唇にあたたかな吐息を感じた。

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