艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

嬉しくて、腕の中で寝転がったまま首をかしげて彼を見る。


強い声と言葉で私を支配した、さっきの彼とはまるで別人のような穏やかなほほ笑みがそこにあった。


「前に言ってた、どこかに出かけようって。どこに行きたい?」


それは、自分の気持ちを自覚する少し前、交わした約束。
忙しさの中で、いずれ紛れてしまいそうだと思っていた約束だった。


「嬉しい、どこにしよう」

「泊りがけもいいしね。急だけど、小旅行」

「晴れてるところがいいな」


七月半ば、長引く梅雨でなかなか晴れ間が覗かない。


「難しいことを言うね君は」


苦笑いをしながら、彼が少しだけ体を起こしベッドのサイドテーブルにあったスマホに手を伸ばした。



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