艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
観光がしたい。
異人館も見てみたいし、朝は葛城さんが話してくれたブレックファーストで有名だという古い洋館のレストランに行きたいのだ。
だがその前に……こなさなければならないミッションがある。
「ケーキ屋の朝は忙しいからね。夕方以降の方がいいんだ」
レンタカーを借り、葛城さんの運転で神戸から東に向かう。
窓の外はもう暗くなり始めて、際立ち始めた街の灯りが流れていく。
私は助手席で、早鐘を打つ心臓と戦っていた。
葛城さんと出会ってから、どうも私の心臓は働きすぎだと思う。このままでは過労で止まってしまうのじゃないだろうか。