艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
つい言い返してしまった私に、柳川さんの目が吊り上がった。


「……うちでも内部調査してるところだった」

「それは言い訳ですか」

「少しでもダメージを抑えてから正していく予定だったんだ、それをあの女がっ……」

「……女?」


眉をひそめた私に、彼が嫌な目を向けせせら笑った。


「本当に何も知らないのか」


かちん、ときて強く腕を振り払う。
今度は難なく離れてくれたが、彼の嫌な目は離れない。


「そのままでいいの? いつか足元をすくわれるかもしれないよ、俺みたいにさ」

「……信じてますから」


なんと頼りない言葉かと、感じながら言った。多分そのぐらぐらと揺れる意思を悟られたのだ。


「あっそ。じゃあ、知りたくなったら教えてあげるからさ。連絡先だけ交換しない?」
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