艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「条件は婚姻関係を結ぶこと、今の仕事は辞めて俺のサポートに徹する。できるだけ早い方がいい。うるさい蠅を追っ払いたい」


ハエ?
柳楽堂のことだろうか。家族からは私の耳には何も入ってこない、それが仇になったと言える。現状他に情報を得ることは出来ず、私は葛城さんを警戒しながらも結局、鵜呑みにしてしまった。


「サポートって何を?」

「とりあえず、近々あるイベントの決起大会がある。パートナーとして出席して欲しい」


こくん、と口の中に溜まった唾液を飲み込んだ。それに出席したらもう、後戻りは出来ない。
返事の言葉の出ない私を、彼の目がまっすぐにとらえる。これまで彼に抱いていた印象よりもずっと、真摯な目だった。


目を逸らせないまま、私の手が彼の口元に持ち上げられるのを、じっと見ていた。


「来週金曜、迎えの車を送る。この指に指輪を嵌める覚悟が出来たら、その車に乗って俺のところにおいで」

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