Jewels
黄金が去ったのを見届けると、金剛は困った様子で頭をかいた。


「見苦しい従者で申し訳ない。いつまでも子供扱いなので、困ったものですよ。」

「見苦しいだなんて…黄金様は金剛様のことを本当に大切に思っているんですわ。」

「解ってはいるつもりなんですがね。」

「それならもう少し労わって差し上げては?」

「ええ…。」


金剛は苦笑いをしてうなづく。

性格なのだ。
たったひとりの王子として育てられた故に、尊大な振舞いをすることが半ば自分の責務だと感じている。
周囲が子供扱いするのは、金剛自身に原因があると、自分でも解っていた。


「それにしても驚きましたよ。」


金剛は話の矛先を変える。


「何がです?」

「まさか貴女の方からいらっしゃるとは思わなかった。遅れてしまったので、てっきりいつも通りご機嫌を損ねてしまったかと。」


それを聞くと、紅玉は満足気に微笑んだ。
まるで真っ赤な薔薇が咲いたかのように、優美で華やかな笑みだ。
いつでも気高く自信に満ち溢れている、それが金剛にとっての紅玉の印象だった。

紅玉は嬉しそうに、流暢に話し出す。


「遅れたことをいちいち気にしていては、金剛様のお相手は務まりませんもの。ただでさえ少ない時間を、不機嫌なまま過ごすのは損でしょう?だからわたくし、考えを変えましたの。金剛様がいらっしゃるのを待っていないで、わたくしの方から出向けばいいんだって。」


得意げに微笑むその瞳が、少しだけ翠玉に似ていた。
滅多に見せないが、やはり姉妹なのだと思う。


「いつもながら、活発な姫君だ。」

「褒め言葉と受け取らせていただきますわ。」

「結構ですよ。」


金剛は穏やかに微笑んだ。

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