この手をぎゅっと、離さないでね?
「おいおい、階段なんかでイチャついてんじゃねぇーよ」
階段の下から聞こえてきた不機嫌な声に、慌てて洋くんと距離をとった。
「うわぁっ!ひっ……光琉くんっ!?」
足音にぜんぜん気づかなかった…。
洋くんと抱き合ってたところを見られてたなんて…。
恥ずかしすぎて、もう穴があったら入りたい…。
「んだよ。俺がどこでなにをしようがテメェには関係ねぇだろ」
「彼女ができたからって浮かれすぎだろ。バカみてぇ」
「はぁ?なにお前、また俺にケンカ売ってんの?」
洋くんはチッと鋭い舌打ちをして、攻撃的に光琉くんを睨んだ。