この手をぎゅっと、離さないでね?



「おいおい、階段なんかでイチャついてんじゃねぇーよ」



階段の下から聞こえてきた不機嫌な声に、慌てて洋くんと距離をとった。



「うわぁっ!ひっ……光琉くんっ!?」



足音にぜんぜん気づかなかった…。

洋くんと抱き合ってたところを見られてたなんて…。

恥ずかしすぎて、もう穴があったら入りたい…。



「んだよ。俺がどこでなにをしようがテメェには関係ねぇだろ」

「彼女ができたからって浮かれすぎだろ。バカみてぇ」

「はぁ?なにお前、また俺にケンカ売ってんの?」



洋くんはチッと鋭い舌打ちをして、攻撃的に光琉くんを睨んだ。



< 175 / 347 >

この作品をシェア

pagetop