借金取りに捕らわれて 2
不意に、胸ポケットに仕舞ってあったスマホが震え、取り出して見ればマサからの着信だった。


俺は外で電話に出るため席を立った。


「おい!逃げんのかよ!」


「電話だ。直ぐ戻る。」



武の声が後ろから降ってくるのを無視して外に出れば、冷たい風が頬を撫でた。

吐いた息はもう白くなることはないが、それでもスマホを握る手の先から直ぐに冷たくなる程にはまだ寒さが残っている。


「どうした?」


電話に出れば、マサは至急報告したいことがあると言う。

マサには数人で例の医者のビルを張り込んでもらっていたが、動きがあったのだろうか。



「医者が戻ってきたのは確認出来ていないのですが、部屋に誰かが入った形跡がありました。」

「鍵は掛かっていたはずだな。」

「はい。」

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