借金取りに捕らわれて 2
「出来たら、これまで通り"秋庭さん"が良いんですけど…」

ダメもとで言ってみるが…

「却下。」

やっぱりダメだった。

「まだ仮のお付き合いですし…」

食い下がってみたが…

「武寅は名前なのに?」

あっさりと振り払われた。

「そ、それは~」

最早言い訳が思い付かない…


目を反らす私を秋庭さんの視線が真っ直ぐ見つめているのが分かる。

この状況いたたまれない…

この状況を切り抜ける打開策を考えるが、その追いつめるような視線が私を焦らせ余計良い考えが浮かばない。


が…


「まあ、良いよ。」


秋庭さんはあっさり引き下がった。


えっ、良いの?これまで通りで。


そんな秋庭さんに私は驚き視線を上げれば、目が合った秋庭さんはニヤリと不適に笑った。


「ベッドの中では名前で呼ばすから。」


えっ!?"呼ばす"って何!?

ベッドで何されるの私!?


不穏すぎる発言に後ずさりしたくなったが、腰に回る腕がそうはさせてはくれない。


「あの!私ベッドには近づきませんから!」


これはヤバイ!なんかヤバイ!

ちょっとしたパニックだ。


「ヒロがそこまで言うなら、俺は別にベッドじゃなくてもいいけど?ソファーでも床でも、お望みなら外でも。」


「外!?」


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