ハツコイ
それから、日誌を職員室の先生のところへ二人で持って行った。




なんだか、楽しかったな。




二人でお話できたこと。




「安座間くんは、家どこら辺なの?」



「え?あ、駅6つ先!」



わたしの突然の問いかけにも、笑顔で返してくれる安座間くん。



どんどんイメージが変わっていく。




「私は5つ先だよ!結構近いね。」



…とは言ってみたものの。



一緒に帰りたい。



もっと話をしてみたい。



もっと…安座間くんのこと知りたい。





だけど、一緒に帰ろうなんて…言えない。





二人とも口数が少なくなってきた頃、下駄箱に着いた。



外の様子が見えたと思ったら…




「雨…」



ザーザー降りの雨。




傘…持ってきてよかった。



夕方から雨が降ると言っていた天気予報は、やっぱり正しかった。




「傘持ってる?」



靴に履き替える安座間くんに聞くと…



「いや、持ってないんだ…朝晴れてたからさ。」



ちょっと照れたような表情の安座間くんに、胸がざわついた。


< 169 / 211 >

この作品をシェア

pagetop