ハツコイ

「友達伝いに貰ったラブレターには返事はしてないかな。直接貰ったり、告白されたりしたことには、ちゃんとごめんなさいって断ってる。」




「断ってる…の?」




思わず、安座間くんを見上げてしまった。



すると、安座間くんも私を見ていて…




至近距離で目が合い、恥ずかしくて目をそらしてしまった。





「断ってるよ。俺…好きな人いるから。」





あ、声変わった。




意志の強い声だった。





好きな人がいる。





だから、安座間くんに向けられたたくさんの気持ちを、全て断ってる。




「そ…なんだ。」





あれ…




なんで私、ショック受けてるの?





安座間くんに好きな人がいるって、わかったから?





それって…



私が安座間くんを好きって…こと?





だけど、今さら気づいたってどうしようもないよ。





安座間くんには、好きな人がいる。




これは、紛れも無い事実なんだから。





そのあと、スポーツテストの話など他愛のない話をしたけれど…



なんだか心臓が、とっても痛かった。

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