ハツコイ
私たちが付き合っていることは、学校中に瞬く間に広まった。



先生までもが知っている、私たちの仲。





ほとんど毎日一緒に登下校をして、クラスもずっと一緒で思い出もいっぱい共有できて。




ほんとにほんとに楽しい日々だった。










そして、あの日…




卒業式が明後日に迫っていた、あの日。




授業は午前で終わり、いつものように琉偉と一緒に帰った。





「…あれ?」



「どうした?柚。」




家に着くと、お父さんとお母さんの姿がなかった。



「おかしいな、今日は二人とも仕事休みって言ってたのに。」




鍵を開けて家の中に入ると、玄関の棚の上に、書き置きが残してあった。





“柚奈ちゃんへ パパとママはこれからデートに行ってきます。今日はホテルに泊まるから、戸締りしっかりね!”





「………何これ。」




父と母は、未だに娘を放っぽってもデートに出かけちゃうようなラブラブさ。




そんな両親に呆れていると、琉偉が隣で笑っていた。



「さすが柚のお父さんとお母さん!ほんといい二人だよなー!」




どこが!?



…と言いたいところだけど、琉偉が両親のことをそう思ってくれるのが嬉しいから、その言葉は飲み込んだ。




「琉偉、もし時間あるなら、上がっていかない?」



この時の私は本当に、何も考えずに琉偉を家に入れたんだ。




ただ、もうちょっと一緒にいたい…



その想いで。



< 179 / 211 >

この作品をシェア

pagetop