ハツコイ
ほら…ね。



今から、現実を受け入れなければならない。



こんな私にも…




優しく丁寧に断ってくれる…?





涙を目に浮かべたまま、琉偉を見上げた。



すると…





「こんなまどろっこしい関係、もうやめよう。柚、俺は…入学式の時から柚のことが好きだった。」




「…え?」




今…なんて………?




予想外の言葉に、驚きを隠せない。




そんな私を見つめながら、琉偉は続ける。




「可愛い子だなって思って。話してみたら優しくて明るくて…どんどん柚のこと、好きになってた。」




「る…い…」





ウソ……本当なの?



「俺の好きな人って、柚のことだよ。じゃなきゃ、他人が告白してんの、邪魔しないよ。」




そう言って、頭の後ろに手を当てたまま、照れた表情をした琉偉。



そんな琉偉を見上げながら、私も自然と言葉が出てきた。




「私も…ね、琉偉の優しさに惹かれて、琉偉の笑った笑顔に癒されて。……琉偉のこと、いつの間にか好きになってた。」




胸が…きゅんとして…ちょっと苦しい。





誰もいない裏庭。






「…柚、俺と付き合ってくれる?」




そう言って私に一歩近づいた琉偉に、コクンと頷いた。




そんな私を見て、琉偉はフッと笑ったあと、再び真剣な眼差しになった。





「今日から柚は、俺だけのものだ。誰にも告らせないから。」




そう言って、私の肩に琉偉の手が重なり、私はゆっくりと目を閉じた。






初めての、キス…





好きな人との、キス…





私の恋が、実った瞬間だった。

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