秘密の約束。
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「なんてことをしてくれたの!?」

机をたたきつけるあきこ。その机の向かいに座っているのは睦月のおばあちゃん、晴子だった。

「なにがいけないって言うんだい?
あたしはあの子たちを泊めただけで
家出は進めてないよ」

つーんと意地を張る晴子。

あきこは睦月と苺香を心配して探していた。
そんな時、一本の電話が入った。

「あの子たちはあたしの家にいるよ」

と。


来てみたらもういなくて頑固なおばあちゃんがいたって訳だ。


「あの子たちがほんとうのことを知ったら…
ショックを受けるに決まってる。自分たちを責めるわ。あの子たちにはなにも罪はないのに…」

あきこは力なくその場に座りこんだ。


「いいじゃないか。真実はいつか知るもの。その時期が今でも後でも同じことさ。
あの子たちは真実を知らなければいけないんだ」

晴子は紅茶を一口すすった。
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