秘密の約束。
睦月はただ放心状態で、警察に何を聞かれても答えれなかった。

しゃべれない子になっていたからだ。

引き取ってくれる人はいなく

施設に預けられたそうだ。




「あたしには何も話してくれなかった。何をしても笑わない子だった。
他の子とも遊べなかったり、一日中部屋にいたり。
でも今は…」

あたしの方をちょっと見て

「苺香ちゃんがいるから大丈夫ね。」

睦月はあたしと会ってからなにか変わったっけ?

あたしなんかで大丈夫なのかな?



「あの、おばちゃ…、遠藤さんに預けられたのはいつなんですか?」

先生は遠い昔を思い出すかのように

顔をしかめた。

「いつだったかなぁ…
多分、小学2年生だったと思うよ。」

じゃあ3年くらいここにいたんだ…

きっととても、ここが好きだったんだな…。
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