秘密の約束。

幼い頃の記憶。mutuki

僕はお父さんが嫌いだ。

お母さんを殺した『殺人者』だから。

その『殺人者』の息子の僕も大っ嫌いだ。

「睦月くん。お外で一緒に遊ぼう」

誰かが話かけてくる。

嫌だ。

話したくない。

きっとみんな心の中では

『殺人者』の息子として見てるんだ。

「…お前なんかどっか行け」

そう呟くとそいつは僕の頭を殴った。
だから僕は髪の毛を引っ張った。

そしたら泣き出した。弱っちぃ。弱いやつは嫌いだ。

僕みたいに…。







部屋にいたら誰かに話しかけられるから、外に行こう。

今は草原で寝転がって空を見るのが好き。

近くの公園に行くことにした。

思い立つと立ち上がり、先生に見つからないように外にでた。

少し行くと公園がある。ちょっとした林があって、そこを入ると広い草原にでる。
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