秘密の約束。
グサッ…グサッ…

何かを刺しては抜いて…
抜いては刺して…

そんな音が繰り返し聞こえてくる。

「誰かいるの…??」








目の前にいたのは








横たわる母を刺している父がいた。


グサッ…グサッ…



お腹を差して…
包丁を抜いて…
差して…抜いて…


声が出なかった。そこにいる父はお父さんではなかった。

ただの『殺人』をしている男だった。

「ちっ」






そいつは舌打ちをすると玄関に向かって走り出した。


ドタドタドタ………

ガチャッ

バタンッ





お母さんがお父さんに刺されてぐったりしている。


それが何を意味するか分かっていた。

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