おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
2人で終始ボーっと仕事をしているのはあの後、朝方まで一緒にいたせいだ。
さっきバイバイして、またすぐ仕事で会っているという感じ。
お互い休憩時間に寝て″スッキリしたね″なんて笑った直後…
潤くんは少し気まずそうに、作っているような明るい雰囲気で話し始めた。

「あのさ、イヤだったらいいんだけど…友達にさ、あっ、女の。
彼女が出来たって言ったら…なんでそうなったのか会って詳しく聞きたいって言われてさ…
今週末なんだけど…行ってきてもいいかな?
あことの事しっかり話してくるから」



頭の中は疑問だらけで、聞きたい事はたくさんあるのにまとまらない。
とりあえず出た言葉は

「えっと…詳しくって…付き合ってたとかじゃないんだよね?」


「全然!彼女出来たら教えてね。みたいな事は言われてたし、もう2人では遊べないってことも言いたいし。」


潤くんから女友達の話が出たのはこれが初めてだった。
全部やまやまからの情報で、その存在を知っていたわたしはここまで勝手な想像を何度も繰り広げてきた。
ただ、その想像に間違いはない気がしてきた。

きっとその子は…
潤くんの事を好き。


…………だと思う。




「いいよっ!行ってきて!」


「まじ?イヤって言われると思った!」

付き合っただけで、相手の全てを縛ったりするのは違うと思っている。
不安や違和感はあるけど、潤くんをモヤモヤさせるのもイヤだったからわたしは″いいよ″と言った。

「大丈夫だよ」と笑うわたしに潤くんは言う。

「行く前にもメールするし、話してる最中も全然メールできるからね!」

律儀な人だな、なんて…。
わたしは″うんっ!″と頷いて笑って見せた。


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