おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「水島くんもわざわざ言ってくるって…真面目さが出てるよなー」


苦笑しながらやまやまは言う。


昨日のあの話…正直言おうか言わないか迷った。
やまやまに話す事でスッキリする場合もあるけど、不安を煽られる場合もあるから。


「女も気を使えよなぁ!水島くんもわざわざイタ子ちゃんに報告しないで、ちゃちゃっと話してきちゃえばいいのに」


「うーん…なんとも言えないよぉ」

こういうことって本当に難しいと思っている。

なにも疚しくないからと隠して行って、後でバレたら
「疚しいから言わなかったんでしょ」
と言われるし。

詳しく話していけば、”逆に怪しい″なんて受け取られる場合もある。
結局は信じるか、信じないかではなくて、

-信じたいか、信じたくないか-


女友達側の立場で考えればそりゃあそうなるのかな。とも思える。
そうなるくらいの関係性が2人の間にあったのは事実だと思うから。


妄想は勝手に独り歩きしていくばかりで、良い考えに進まないのがわたしの思考。


個人個人の立場になって考えてしまうから自分の本心がわからなくなる。


個人の事を考えられるなら、彼の事を考えろと思われるだろうけどそれはまた別の話。
彼はわたしとずっと一緒にいられる。
だから幸せな人。なんて自論でいつも片付けている。


そんなこんなで頭の中は自分でも何をどうしたいのかはっきりしない、晴れもせず雨が降るわけでもない。


-グレーの雲-


で、いっぱいになっていた。
やまやまはそんな事お構いなしにいつもの意地悪な笑顔を向ける。

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