おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
それぞれが抱えている想いなど関係なしに時は流れていく。
誰にだって平等にあたえられている時間をどう使って、どの様に過ごすのか…
それもまたそれぞれだと思う。
気がつけば、あっという間にバレンタインデーを終えて数週間。



バレンタインには2人分のチョコレートケーキを作って、それぞれに時間差で会って渡した。
彼には昼から夜8時まで、潤くんには夜9時から朝方3時くらいまで。
潤くんと付き合いだしてから1ヶ月ちょっとのバレンタインのこの日、わたしの中で何かが少しだけプチプチっと切れそうになった。


自業自得なのは理解しているけど疲れるものは疲れる。
デートだって、彼とはペースを変えず潤くんとも合わせる。
どうしようもない場合はどちらかにウソをついたり…なんだかんだやり過ごしていく。


「お前ホントにこえーよ」


「よくやるよなー」


「うんっ!ありがとー」


「ホメてねぇーよ!」

と2人のツッコミが重なって、ゆうじとしゅんちゃんはビールを飲み干す。


「もうさ、めんどくさくなってきたよ」


オレンジジュースをチビチビ飲みながらわたしは頬杖をついた。



「ふざけてやがるー」


と、呆れる2人を見ながらため息をひとつ。

「だってさ……違ったんだもん…顔はどストライクだからさ、見ててドキドキするし、キュンキュンするし
でもさ…なんか違うんだよね……なんだろ……た、い、く、つ。そうだ、退屈しちゃうんだ」


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