おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「えーわかんねぇよ!時と場合によるな」

わたしの中に衝撃が走った。

「えっ?!時と場合によっては付き合っちゃうの?!やめてよ!」


「聞いた癖にやめてとか言うなよ!」


「衝撃だわー!ならゆうじは??」


「オレは無理だなぁ。
お前なんかと付き合ったら影でなにされてるかわからないし、最終的にボロボロになって捨てられるのが目に見えてるからやだね。」


「ゆうじー!ちょっとピキピキくる部分もあったけど、そういう答えを待ってたのぉー!」


「なんなんだよその質問は」


いきなりこんな質問をされて、そりゃ答えにも困るだろうし、2人はよく答えてくれたなと思う。

赤信号で止まった車の中、わたしは大きく伸びをしながらため息をつくように言葉を発する。

「でもなぁーその女友達がわたしみたいに影で何してるかわからないような女とは限らないしなぁー。
女友達っていったってそこから恋愛につながるパターンいくつも知ってるしなぁー。
ぁあ。苦しい」



「なんか言い出したよコイツ」


「なんの話だよ」


聞いて下さい、と言わんばかりの大きな独り言のようなセリフに優しい2人は耳を傾けてくれる。
わたしはまたため息をついた。
そしてとびきり甘い声で言った。


「新しい職場にねっ…王子様がいたの」


「はいでたーー」

「またかよーでたよでたでた」

「そんなことだろうと思ったよ」

呆れている2人にわたしは言った。


「違うの、本当に王子様なの。
一回見て欲しい、完全に王子様だから!」

「王子様かどうかはどうでもいいんだよ!笑」

「そもそも王子様ってなんだよ」

2人にとってわたしの新しい恋の話なんて、驚きもない日常的なことの一部になっているらしく…こうやって呆れられてサーっと流されていく。
でも、何かあれば必ず聞いて意見をくれるんだ。

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