おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「ねぇねぇ、ドライブ終わったらさ、ここに戻って来てもいい?」

わたしはやまやまに聞いていた。


雑誌をパラパラしながら

「ん?いいよ」

と、クールに答えたやまやまは雑誌を置いてキッチンからカウンターへ出た。
同時にわたしの携帯にメールが届いた。

水島くんからのメールを確認して、わたしは深呼吸をした。

「行ってくるね!
戻ってくるから待っててよ。もし全然うまくいかなかったら慰めてよね?」

「わかったから、頑張ってこいよ」

「うん!頑張るね!行ってきます」

不安気なのに弾むような口調で会話が出来るのはきっと、そこにいたのがやまやまだったから。
行ってくるね!と何度も振り返り手を振るわたしを、カウンターからずっと見送っていてくれた事がすごく心強かった。


「早く行けよ!笑
王子様が待ってるよ。」

一気に夢の様な現実が押し寄せてくる。
どうにもならない緊張感を真冬の風がとかしてくれる気さえした。

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