アッファシナンテ
~崎本side~
彼女は俺が到底入れそうもない
高級家具屋へと入って行った。
当たり前だけど、やっぱり
彼女と俺は住む世界が違うらしい。
1個何10万もするベッドに
寝転んでは首を傾げる。
彼女は何度もそれを繰り返した。
相当、ベッドが欲しいのか
彼女は真剣に選んでいた。
そもそも、こんなデカい買い物は
俺じゃなく、それこそ
執事や家族とするべきなのに
初デートでこんな場所へ来る
彼女の思考はやっぱり分からない。
この店の偉い奴が彼女に
付きっきりなのは多分
彼女がここの太客だからだろう。