アッファシナンテ

花恋「このお店であなたが気に入った
ベッドを選んでくれないかしら?
それをあなたと春川にプレゼントするわ。」

遼「意味わかんねぇって。
何で俺にまでプレゼントするんだよ。」

花恋「楽しかったお礼よ。」

遼「受け取れねぇよ。」

花恋「あなたはお給料は
貰ってないでしょ?」

遼「貰ってないけどさ
あんたにとっちゃ、たかが
何十万なのかもしれないけど
その金を稼ぐ事がどんなに
大変な事か分かってる?
金で何でもかんでもって
そうゆうのは違うだろ。」

花恋「分かってるわよ。
でも、私はプレゼント以外に
感謝を伝える方法が分からないのよ。
それでも、私は伝えたいの。
今日1日、楽しい時間を
教えてくれたあなたへ。
いつも私の事を大切にしてくれる
春川へ感謝の気持ちを伝えたいの。
楽しい時間を知って欲しい。
そう思ってくれたあなたへの恩返し。
いつも見守ってくれる春川への恩返し。
間違っているのかもしれないけれど
私はその方法しか思いつかないの。」

ああ、そっか。
彼女は知らないのか。
もっと別の方法を...。

遼「プレゼントはいらない。
でも...」

花恋「でも?」

遼「俺が選ぶよりもあんたが
選んだ方が感謝の気持ちは
伝わると思うから、執事の
ベッドはあんたが選べよ。
俺も手伝うからさ。」

花恋「ありがとう。」

それから俺は彼女と一緒に
色んなベッドに寝転がり彼女の
納得のいくベッドを1つ選んだ。

本当にそうなのかは分からない。
だけど彼女の執事は
幸せ者だなと思った。
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