アッファシナンテ

~崎本side~


何があったという訳ではない。

この気持ちに蓋をして
執事に譲ったくせして
今日会いに行く。
その一言がこんなにも嬉しいと
思ってしまう。

もしも付け入る隙があるのなら
やっぱり俺は強引にその隙を
狙おうと思っているのかもしれない。
その心は気持ちは既に初めから
決まっていて、彼女はどこから
どう見てもあの執事の事が好きなのに
それでもまだチャンスがあるように
思うのは、俺自身が執事とお嬢様という
おとぎ話のような関係性について
理解していないからだ。

もしかしたら、彼女の思う好きは
使用人への感情なのかもしれないと
期待してしまっているからだ。
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