アッファシナンテ

私は心に決めていた。
例え、彼がそう感じていたとしても
お嬢様自身が、自分で決断されるまでは
お嬢様の事を見守ろうと。

今までの十数年間を
不用意な一言で壊して
しまいたくはなかった。

少し心は痛むけれど
お嬢様のこんなにも素敵な
笑顔が見られるのなら
私の気持ちなどどうでもいい。

彼が願う気持ちよりも強く
私はお嬢様に幸せになって欲しいのだ。

お嬢様の着替えを待ち
私はお嬢様を彼のお店へと送る。

ありがとうと車のドアを閉めた
お嬢様は本当に楽しそうだった。
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