アッファシナンテ

酒を作って花恋の前に置くと
普段は飲まないその酒を
花恋は手に取り飲み干した。

遼「それで、あんたは
そのお見合い、どうするの?」

花恋「もちろん断るわ。」

知っている。花恋の
心配の正体くらい。

遼「本当は断れないんじゃない?」

花恋「え?」

遼「お父様が望んでいるから。
執事がセッティングしたから。
その想いに応えたいと
思ってるんじゃない?
好きじゃなくても恋など
してなくても、あんたは
その人を選ぶんじゃない?」

花恋「あなたは私の事が
好きではないの?」

遼「好きだよ。」

花恋「だったらどうして
そんな事を言うの?」
< 364 / 540 >

この作品をシェア

pagetop