アッファシナンテ

春川「私が執事としてお嬢様に
出来る最後の仕事ですから。
お嬢様、お気に入りのお部屋を
作らせては頂けませんか?」

分からないけど切なかった。

俺のワガママのせいで
この執事が明日から職を
失うと思うと頷く事しか出来なかった。

全ての荷物を業者が運び終えた後
執事はダンボール一つ一つを
丁寧に開けインテリアや家具を
置いていった。

見た事はないけど、多分
この部屋がずっと花恋が
過ごしてきた部屋なんだろう。

昔から花恋の事を知っている
執事が置いたのだから間違いない。

この部屋を見た花恋は
きっと喜ぶだろう。
そして、俺に言うんだ。
ありがとうって。
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