アッファシナンテ

旦那様の意見も聞かず
私に何の相談もせず
自分自身で崎本様と共に生きる事を
選んだのだから。

それを好きと呼ばないのなら
何を好きと呼べばいいのか分からない。

崎本様に言われた通り
マンションの下で待ち続けていると
お嬢様が険しい表情を浮かべながら
私の元へとやって来た。

そうか。崎本様は予定通り
お嬢様に別れを告げたんだ。

言葉は沢山用意していた。
お嬢様を迎え入れる言葉は無限にあった。

だけど、私が言葉を発するより前に
お嬢様は言った。

花恋「春川のせいよ!
ずっと思い続けてきたのよ!
初めての恋だったの。
彼に恋をして毎日が楽しくて
彼に会うために色んな事を
頑張る事が出来たの。
ようやく恋人同士になって
一緒に暮らす事になったのに...
私は崎本さんの事が好きなのに。」
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