アッファシナンテ

花恋「だって、あなた。
前に私がこの部屋へ来た時
パジャマなんて着ていなかったじゃない。
少しラフな執事服を着ていたわ。」

春川は少し微笑み
私の前にローズヒップティーを置いた。

春川「どっかのワガママな
お嬢様が四六時中、俺の事を
呼び出すから着れなかっただけ。」

そう言いながらローズヒップティーを
一口飲み、ソファに腰掛けた。

花恋「随分な言いようね。」

春川「嘘だよ。
前は、24時間365日
藤堂家の執事だったから。
それは仕方がないんだよ。
だけど、今は旦那様がいない時くらい
少しくらい気を抜いたっていいだろ?」

立ち上がった春川は
私の隣に座り頭を撫でた。

花恋「そうね。
あなたはいつもどこか
落ち着かなかったものね。」

春川「そうでもないよ。」
< 483 / 540 >

この作品をシェア

pagetop