アッファシナンテ

花恋「会わせたい人がいると
言っていたの。
お母様が亡くなってから
もう随分と経つわ。
仕事にはほとんど行かなくて
良くなったし、お父様に新しい
恋人が出来たのかもしれないわ。」

そんな事はないだろうと思った。

あの旦那様が今更
そんな事をするようには
思えない。

でも、だとすると
会わせたい人というのは
誰なんだろうか。

光「お父様に恋人って...。
何か想像出来ないな。」

花恋「いいじゃない。
お父様だって人間よ。
人は人を愛したい生き物よ。」

本当に花恋は変わらない。
父親に向かってそんな風な
優しい言葉をかけられるのだから。

光「とりあえず20時までには
屋敷へ帰るよ。」

花恋「ええ。料理を用意しておくわ。」

光「花恋が?」

花恋「もちろんよ。
最近、シェフに褒められるのよ。」
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