諦めるには値しない
皆が負けを確信していた。
皆が勝負を諦めていた。
でも、俺は絶対にあきらめない。
昴「陶太。大丈夫だ。
俺たちは勝てる。」
陶太「え?」
昴「俺たちは今まで沢山の
問題に向き合ってきた。
辛い事も苦しい事も俺たち
8人で乗り越えてきたじゃねぇか。
その苦しさに比べれば
こんなもん屁でもねぇ。」
陶太は微笑みながらそうだねと言った。
昴「思う通りにやりゃいいんだよ。
残りで5分で35点差。
お前はどう覆す?
俺にはその方法が思いつかねぇ。
勝ち負けなんてのはな
今の俺たちにとっちゃ
次のそのまた次なんだ。
今、俺たちに出来ることは
俺たちらしい試合をやる事しかねぇだろ。」
陶太「うん。」
昴「小せぇ夢なんて見てんじゃねぇ!」
陶太「小さい夢?」
昴「お前には代々木体育館で
プレーをするっていう
全国大会に出場するっていう
でけぇ夢があるじゃねぇか。
たかが、地区予選で卑屈になるなよ!」
庄司「豆もやし!あんた
キャプテンだろ?
見せてくれよ。後輩の俺らに
あんたの背中見せてくれ!」
真山「陶太。バスケなんて
やったってやらなくたって
これからの人生に何の影響も
及ばさない。だったら俺たちは
何のために今、バスケをしてる?
‥俺は、仲間と共に汗を流したいからだ。
シュートを決めた瞬間に共に
笑い合いたいからだ。お前は今
何のためにバスケをやってる?
勝つためにやってるのか?」