彼氏が最近かまってくれないので、彼女反撃を開始します
戻る途中、美也子が静かに名前を呼んできた。
彼女の方へ顔を向けると、珍しく優しい純粋な笑みを浮かべていた。

「反撃行動って言ってもさ、ちょっとは構ってあげなよ」

「へ？何に？」

「はぁ！？彼氏に決まってるでしょ！」

バコン！と思い切り頭を叩かれて、かき氷も食べていないのに頭がキンキンと傷んだ。

今なら寺に置かれてる鐘の気持ちがわかる気が...。

美也子は鼻を鳴らすと「あのね」と話し出す。

「避けてばっかりいると、相手に冷められちゃうかもしれないからね、本当に」

一瞬、切なそうに見えた表情。
だがすぐにいつもの顔に戻り、私を見つめる。
それから人差し指で私のおでこを突っついてきた。

「そこを理解した上で反撃やら進撃やら何でもしなさいな」

「うぅ、痛いよ。さすがに進撃はしないわ！けどわかったよ！」

敬礼を見せつけると、私は5組、美也子は6組とそれぞれのクラスに戻った。
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