彼氏が最近かまってくれないので、彼女反撃を開始します

私はこいつがとてもとても苦手だ。
何故かって?それは咲や佳奈とは違ううるささがあるからだ。

「あ～、そうだそうだ」と思い出した素振りをしたかと思うと、ポケットから何か取って差し出してきた。

「これ、ともちんが美穂に渡せって言ってたー」

輝が言う"ともちん"とは、智樹のあだ名であり、いつもそう呼んでいる。
よくアイツも許してるなと思うが、昔から呼んでるからな〜と1人で納得した。
渡された物に目を向ける。

「何これ？紙？」

「そ～！男バレの夏休み中の予定表！今こうなってるよ～っていう知らせ」

「ふーん」

そんぐらいさ本人が直接渡せばいいのに、なんで間接的なのよ。
ちょっとした怒りが込み上げてくるが、息をついて落ち着かせる。
だが表情には出ていたようで、輝に「顔ブサイクー」と笑われ頬を引っ張られた。
されっぱなしも納得いかないので、奴の腹に拳をかましてやった。
腹を抑えながら床に倒れたが、あえて無視して静かに席へついた。