four seasons〜僕らの日々〜
美桜の作った笑顔はすぐにわかる。だからこそ、椿は胸が締め付けられる。

私が美桜を傷つけているーーー。

椿が蓮を好きになるたびに、美桜は傷つく。蓮も椿を好きなら、美桜もここまで傷つかなかったかもしれない。しかし、蓮は椿に縛り付けられて、嘘をつき続けているのだ。

「……最低……」

ぽつりと呟くと、冷たい視線を感じた。

「あっ、翔くん。おはよう!」

美桜が明るく声で言った。

翔は美桜の顔を見たあと、椿を睨みつけた。



廊下は人であふれている。

蓮は、美桜と空と一緒に楽しそうに歩いている。昨日よりその表情は柔らかい。ズキンと胸が痛む。

「どうだ。きちんと感じるか?」

隣を歩く翔が訊ねる。椿は大きく頷いた。

演劇部の友達と回ると嘘をつき、椿は翔と一緒に蓮たちのあとをずっと追いかけていた。

それは、椿が蓮を諦めるためだ。

傷つきながら、椿は翔と話したことを思い出す。
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