four seasons〜僕らの日々〜
視線に気づいたのか、夏樹ちゃんが男の子の方を向く。そして、叔父さんたちの息子のような表情を見せた。

「やだぁ、バレちゃった!せっかく私のこと好きになってもらおうと思ってたのに…」

目の前に好きな人がいるのに、前のようなときめきはない。ガラガラと全てが崩れていった気がした。

「安心して。あなたはイケメンで、私好みだし今まで通り優しくしてあげるから!」

夏樹ちゃんは笑う。前はこの笑顔に何度も救われた。でも、今は体の震えが止まらない。

そこで男の子の記憶は消えた。

あの後、何があったのかはわからない。男の子は気がつけば泣きながら歩いていた。

心は吹雪が強くなり、全てが凍っていく。

「……もういい……。誰も……信用しない……」

全てが凍っていく中で、少年は叫んだ。

「待って!!まだ何か幸せはあるはずだよ!諦めちゃだめだ!!」

しかし、男の子の表情が消え、感情が一瞬で消えた。少年は叫び続けるが、体は氷に包まれ消えた。



時が流れ、男の子は高校生になることになった。

家を逃げ出すように、男の子は高校の近くに部屋を借りて一人暮らしをすることにした。

一人になり、男の子は思う。

これからもずっと一人でいよう、と。
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