four seasons〜僕らの日々〜
美桜は顔を手で覆って泣き出した。男の子は美桜の隣に座り、優しく抱きしめる。

「言わないの?本当は両片想いなんだってこと」

少年はコーヒーを飲みながら、男の子に問いかける。

心の中はすっかり変わった。前までは白いだけの雪が降っていたが、今では宝石のように輝いた雪の結晶が降っている。小さな家の中にある暖炉には火がともり、部屋を暖めていた。

美桜を好きになってから、心はどんどん豊かになっていった。だからこそーーー。

絶対に蓮たちのことは教えない。俺に振り向かせる。

男の子は心の中で呟いた。



しかし、どれだけ傷ついても美桜は蓮を想い続けた。

花火大会に一緒に行けないと蓮に返され、落ち込んでる美桜に男の子は声をかけた。

「よかったら一緒に行かないか?空に誘われたんだ」

話していて体じゅうが熱くなるのを男の子は感じた。頰はきっと赤い。

「……行く」

美桜は優しく微笑んで言った。

「ありがとう……」

男の子も微笑む。嬉しくてたまらない。空もいるが、美桜と一緒に出かけられるからだ。
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