four seasons〜僕らの日々〜
「そんなに慌てなくてもいいのに」

「だって……」

蓮はお茶を飲み、息を吐く。

好きな人とのデート。美桜はどんな服を着てくるのだろうか?どんな乗り物に乗ろうか?楽しみで胸がいっぱいになる。

それと同時に甘い空想も膨らんでいく。空想をして蓮は自分はこんなことを考える人間だったのか、と恥ずかしくなった。

「ねえ、本当に友達と遊びに行くの?なんかいつもと違うんだけど」

お母さんがニヤニヤしながら、蓮を見つめた。お母さんには友達と遊びに行くと言っていた。好きな人となんて恥ずかしくて言えない。

「あ、遊びに行くの久しぶりだし、すごく楽しみなんだよ!」

蓮は目をそらし必死に誤魔化す。しかし、お母さんの表情は変わらなかった。

「お母さんから一つアドバイスをしてあげる」

「アドバイス?」

「お母さんは、恋愛のスペシャリストってみんなから言われてたんだよ!」

「いっ、いや、だからデートでは……」

顔を真っ赤にして首を横に振る蓮に、お母さんは言う。

「相手のことを思いやること!これ一番大事だからね!」
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