four seasons〜僕らの日々〜
電車に乗り、二人は並んで座る。電車内は思っていたよりも空いていた。

「空いててよかったね〜」

「うん。ラッキーだね」

電車がゆっくりと動き出す。窓の外の景色が変わっていく。

美桜は黙って流れていく景色を見つめている。その横顔を、蓮はじっと見つめた。すぐ近くにある美桜の手に、触れたいと思ってしまう。

「ねえ、あの人かっこよくない?」

「本当だ!イケメン!」

部活のために学校に行くのだろうか、他校の女子生徒二人が蓮と美桜をチラチラ見ている。

「隣の子、彼女?」

「ええ〜!!たしかにかわいい方だと思うけどさ、あのイケメンくんの彼女だったら、モデルとか女優みたいな美人でしょ!」

小声だが、こっちに嫌なほど聞こえてくる。隣を蓮が見ると、美桜の表情は暗くなっていた。その顔を見て蓮の胸が苦しくなる。しかし、あの二人の女子に何も言えない。

「美桜ちゃん……」

蓮はこっそり美桜の手を握った。美桜は驚いた表情で蓮を見つめた。
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