four seasons〜僕らの日々〜
音楽室でいつものように蓮がピアノを弾く。

「……ごめん。だから、この歌を聴いてください」

どうして蓮が謝ったのか、美桜はわからなかった。しかし、蓮の歌は大好きなので耳を傾ける。


傷つけたくせに何も知らなくて
きっと知らないように生きてきたんだ
僕は今でも臆病なままで
あの人が知ればきっと
笑うだろうな
何も知らない僕に与えられたものは
音と言葉と感情
だから歌い続けるよ
ごめんね


美桜の手が勝手に動く。心が震えて蓮の言葉に泣きそうになった。この気持ちを伝える言葉はーーー。

右手を垂直に立て、小指側で左手の甲をトンとたたく。『ありがとう』だ。

「ねえ、それは何?ジェスチャー?」

蓮が首を傾げる。美桜は少し迷ったが、話すことにした。
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