four seasons〜僕らの日々〜
そんな気持ちのまま、体育祭を迎えた。

借り物競争で紙を見た瞬間に、男の子の頭の中に椿ちゃんではなく、女の子が浮かんだ。

美桜を見つめると、美桜も顔を赤くして自分を見つめてくれている。

美桜の方に近づこうとした瞬間に、空に椿ちゃんを呼ばれてしまった。

一緒に走っても嬉しくなかった。本当に走りたかったのは、今悲しげな表情になっている美桜だからーーー。



「どうして、あの時椿ちゃんを呼んだの?」

体育祭が終わったあと、男の子は空に話しかけた。

放課後の教室に夕日が差し込む。

「どうしてって…答えは一つだよ!」

空は男の子を睨む。
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