four seasons〜僕らの日々〜

そう言うと、空は注文を取りに他のテーブルへと動いた。

空がいなくなったことに蓮は少し嬉しくなった。

「お席にご案内します」

いつものバイトの時よりやる気が出る。いつも心がけている笑顔が、自然と顔に現れた。

「ありがとう」

席に案内してしばらくすると、美桜がテーブルの上に置かれた呼び鈴を鳴らす。蓮は真っ先に動いた。

「えっと…パルフェ一つください！」

蓮は「かしこまりました！」と笑顔で言う。

蓮がテーブルから離れようとした時、美桜が手話をした。『がんばれ』だ。

その言葉は蓮の胸に温もりを伝えていく。応援している美桜の顔は、とても優しげできれいだ。また鼓動が高鳴っていく。

美桜がお会計をする時、レジに蓮が立った。

レジにお金を置いた後、美桜がまた手話をした。右手を軽くわん曲させて、手前に引き寄せるようにする。

「かっこよかった！また来ます！」