four seasons〜僕らの日々〜
椿は安心したような笑みを浮かべる。蓮も、バイトの時のように微笑んだ。

まるで、ドラマのワンシーンを演じているように蓮は感じた。決められた台詞を言ってドラマを進めていく。『愛』なんてどこにもない台詞ーーー。

空しさだけが胸に残った。

蓮の背後でバタバタと走っていく足音が聞こえたが、振り返る気も起きなかった。



次の週のバイトも、午前中だけで上がることになった。

蓮が着替え終わると、控え室に翔が入ってきた。蓮の姿を見るなり一気に不機嫌な顔を見せる。

ぞっと蓮の体に寒気が走る。
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